山中伊知郎「お笑いライヴを行く!」

 どうも、最近、痛感しつつ、じゃあ改善する気があるのか、と問われると、実はぜんぜんその気がないものがある。
 それは「向上心がない」ってこと。
 昔からあんまりなかったが、60過ぎて、ますます「そんなもんなくてもいいだろ」と開き直るようになってる。「もっとカネをかせげるように」「もっと有名になれるように」といった俗なものばかりでなく、「もっと完成度の高い本を作るように」とか「もっと世の中の役に立つように」とか、そういったのも全部ひっくるめて、「より上を目指す」エネルギーがほぼなくなっている。
 おかげで、ヒドいビンボー。出した本もちっとも売れない。
 で、本やネットなんか見ると、「向上心のない人間は生きてる意味がない」みたいな話だらけ。

 しょうがねぇな。昔なら、そういうの見て、「あ、俺ももっと向上心持たなきゃ」と反省していたのが、今は反省する気も起きない。それでよく人に、「あんたは、まともに売る気もないのに、ただダラダラと本だけ出してる」と指摘されたりする。その通りなので、反論もできない。

 しかし、どこまでいっても、別に「向上」したいって意欲はあんまりないのだ。確かに出した本は売れなくてしょうもないし、人脈が豊富なわけでもないし、当たってもいないし、これさえやったら悔いはないというライフワークが進行中とかでもないし。ダラーッと平行線を続けているだけで、体力、気力が落ちてる分、緩やかな下降線をたどってるだけのようでもあるが。
 その上、なにかの機会で「向上心満々」の人の話を聞くと、うっつとうしくなって、「もうやめてくれ」と制止したい欲求に駆られたりする。どうも、頑張ってる人を見ると疲れるのだ。
 
 「向上心アレルギー」という病気かもしれない。
とうとう、終盤戦でガチガチになり、クドいくらいに優勝を逃している稀勢の里が優勝か。
 となると、体質的に非常に似ている浦和レッズも、今年こそ優勝できるかな。
 なんかそういう、「強いのに勝ち切れない」人たちが覚醒する年に今年はなりそうだ。